【橋下氏VS朝日】 会見詳報(1)「週刊朝日、無知の集団だと思っている」
「【橋下氏VS朝日】 会見詳報(1)『週刊朝日、無知の集団だと思っている』」(産経新聞:10月18日)
記事を引用する。
日本維新の会代表で大阪市長の橋下徹(はしもと・とおる)氏は18日の定例会見で、自身の出自に関する週刊朝日の報道をめぐり、約15分にわたって同誌の記事についての思いを語った。「先祖や実父の調査、問題視」
橋下氏 ぼくは公人なので、両親、先祖について必要に応じて報じられるのも仕方ない。虚偽の事実でない限りは名誉毀損にならないと、法律家なので知っています。それが真実であれば報じられることも当然と思う。
今回問題視しているのは、自分のルーツ、育てられた記憶もない実父の生き様、当該地域が被差別部落という話について、それがぼくの人格を否定する根拠として、先祖、実父を徹底的に調査するという考え方を問題視している。
ぼくの許されない人格が何なのかといえば、血脈、DNA、先祖、実父という発想のもとで、どんどんぼくとは無関係の過去を無制限に暴き出していくということは、公人であったとしても、認めることができないし、違うと思う。
また、どの地域が被差別部落かどうかを明らかにするということは、今の日本の社会においては認められてはいないと思っている。
言論の自由は憲法上の権利であり、最大限保障されるのは間違いない。でも言論として言葉に出すには一定の制約がある。報道機関が民主国家において重要な役割を担う機関であり、権力チェックは、報道機関によってしかできないという状況を前提としたとしても、こういう調査のあり方、公にするやり方は日本社会においては許されない。
「便所の落書きとは違う」
ぼく自身が生まれてから、両親の育て方はどうだったか、友人関係、学校生活、テレビメディアに出演していた時代、知事時代、市長時代がどうだったか丸裸にされても仕方ない。そこから入らずに、いきなりDNA論。ぼくの人格は許されないという表現も自由だが、ぼくの自由が許されないのは『ハシシタ』の血脈、DNAという前提のもとに、被差別部落問題のルール無視して、徹底的に暴いていくと。
取材記者がどこに取材したかリサーチをしたら、この人が、どこまでうちの実父や祖父のことを知っているのか大変怪しい人だけに話を聞いている。話を聞いたことをそのまま出すのは報道ではない。
週刊朝日の編集長、編集者に問いたいのは、ここまでやってもいいのかという姿勢がなかったのかと。被差別部落についてどこまで勉強したのか、はっきりいって無知の集団だと思っている。
同時にそうはいっても朝日新聞という天下の大新聞の100%子会社だ。インターネットで流れるとか便所の落書きとはわけが違う。朝日新聞という日本の中においても個人を大切にしていこうと言ってきた言論機関の100%子会社が今回のような報道をすることについて、それを認めていたのか、どうなのか。100%株主として、今後どういう姿勢で、週刊朝日に臨むのか、そのあたりの考えをお聞きしない限りは、血脈主義、部落差別を認める一定の団体だと、そう認識せざるをえず、質問には答えない。
「朝日放送は無関係」
ABC(朝日放送)は、週刊朝日と朝日新聞についての位置づけを考えたら無関係なので取材は受けたい。朝日新聞はすでに『子会社で社が違うから関係ない』という発表があったので、それ以上に見解がなければ、ぼく自身は朝日新聞が血脈主義、部落差別を肯定すると認定した上で、対応したいと思っている。
《橋下氏はこの後、朝日新聞記者に社としての対応を求めた》