「マニフェスト―バラ色に染めるな」って、それで民主党を支持し続けたのは朝日新聞だろうが
「マニフェスト―バラ色に染めるな」(朝日新聞:11月14日)
バラ色で実現不可能なマニフェストであったにもかかわらず、社説や記事で民主党を支持し続けたのは朝日新聞であった。3年前のことだ。
「責任ある構想を示してほしい」などと言う前に、自らの報道姿勢を読者に謝罪すべきではないのか。抜けしゃあしゃあと言うことではない。
社説を引用する。
衆院の年内解散が取りざたされるなか、各党がマニフェスト(政権公約)づくりを加速させている。民主党は次の公約素案をまとめ、各地で政策進捗(しんちょく)報告会をスタートさせた。各党とも、現実的で説得力のある政策を競いあってほしい。
もっとも、昨今、マニフェストの評判は芳しくない。その責任の多くは民主党にある。
09年総選挙で、民主党は予算の見直しなどで16.8兆円の財源を確保するバラ色の公約を掲げ、破綻(はたん)した。
消費増税法を成立させたことは野田政権の功績だが、公約にはなく、結果的に有権者を裏切ることになったことも事実だ。
守れない約束をし、痛みを分かち合う必要性には目をつぶる。そのことが、深刻な政治不信を招いた。首相が「過ちは心から率直におわびする」と国会で陳謝したのは当然である。
それでも、マニフェストの意義は損なわれていない。
政策を裏づける財源や達成時期をマニフェストに明記し、実行し、検証して改善する。それを有権者が政治を評価する際のモノサシとして使う。
もちろん、限界はある。
国の財政に限りがあり、経済のグローバル化が進むなか、政治のとりうる選択肢は、じつは多くない。政党がマニフェストで国民受けを狙ったり、無理に対立軸をつくったりすると、逆に政治に混乱をもたらす。
民主党の「甘い公約」に懲りた有権者は、その点にも厳しい目を向けている。各党ともそのことを忘れてはなるまい。
首相は、民主党のマニフェストに環太平洋経済連携協定(TPP)推進の方針を盛り込むという。自民党との違いを際立たせるねらいだが、民主党内にも異論は多い。議論を尽くし、まずは党内をまとめてほしい。
「脱原発」を掲げるにしても、スローガンだけでは説得力に欠ける。工程表をつくり、本気度を示してはどうか。
一方、自民党の安倍総裁は領土外交に強い姿勢で臨むとしつつも「中国、韓国との関係改善をはかる」という。では、具体的にどんな戦略を描くのか。政権復帰をめざすというなら、責任ある構想を示してほしい。
「第三極」を名乗る各党にも求めたい。原発や消費増税、TPPなど基本政策で主張に違いがある。連携する場合は、それぞれがマニフェストを作成したうえで、整合性ある統一マニフェストを掲げるべきだ。
こんどこそ、実りある政策論議を聞きたい。
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