原発比率 安易なゼロは亡国の道だ
「原発比率 安易なゼロは亡国の道だ」(産経新聞:9月5日社説)
原発ゼロなど、原発事故以前に日本が滅亡してしまうぞ。
社説を引用する。
2030年に原発比率をゼロにするのは、現実的な政策目標とはいえない。政府のエネルギー・環境会議が4日の会合で示した「原発ゼロ」をめぐる論点整理からも、そのことは明白だろう。原発を代替する太陽光など再生可能エネルギーの拡大と省エネの達成には150兆円もの巨費を要する。原発政策の転換は関係自治体にとどまらず、国家の安全保障にも影響を及ぼしかねない。
提示された諸問題点はまだ、まるで議論が尽くされていない。エネルギー政策には、国の将来の命運がかかっている。拙速な結論は避けなければならない。
政府は、新たに策定するエネルギー・環境戦略で総発電量に占める原発比率を30年にゼロにする場合、発電コストが高い再生エネの比率を35%にまで高める予定だ。だが、再生エネ比率は現在、水力を除き1~2%にすぎない。それを急激に増やすとなると、多くの無理を重ねざるを得なくなる。
まず、太陽光パネルを、新築住宅への設置を義務付けるなどして1200万戸に導入する。燃料電池も9割の世帯に備える。風力発電向けの設備には、東京都の2倍以上の土地が新たに必要になる。そして、環境規制のために、ガソリン車の市街地への乗り入れも禁止するという。
再生エネ拡大だけで50兆円かかると試算され、その負担は膨大だ。実現可能性は極めて低い。
コスト上昇も深刻だ。割高な電源を使うことになり、標準家庭の30年時点での光熱費は月額3万円を超え、現行の2倍に達する。企業の国際競争力は低下し、産業空洞化も加速する。中東産ガス・原油への依存が強まり、エネルギー安全保障も脅かされかねない。
原発ゼロへの政策転換が直ちに電力危機につながる恐れも指摘されている。
現在は、再処理を条件に、青森県内の貯蔵施設に使用済み核燃料を保管している。原発ゼロで核燃料サイクル政策が崩れると、地元の拒否で置き場がなくなり、即座に各地の原発が停止する。
民主党の調査会では、目標年次を示さずに、原発ゼロを打ち出す案も浮上している。
福島事故で国民の原発への信頼は大きく揺らいだ。だが、それに便乗し、安易に「原発ゼロ」を掲げるのは、亡国への道を進んでいるとしかいえない。
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