「静岡原発条例―県民投票で再稼働問え」って、県民投票などに何ら効果はないぞ、朝日新聞
「静岡原発条例―県民投票で再稼働問え」(朝日新聞:9月21日社説)
仮に県民投票を行っても結果には何ら拘束力はない。意味ないだろ。
「原発が止まれば電気代が上がる。経済や雇用、安全保障など幅広い分野に影響が及ぶ。地域の人々がそこまで見越して判断ができるのか? 一時のムードに流されないか?」
当然の疑問だ。常識があれば底から県民投票を行うという結論にはならないはずだ。しかし朝日新聞は次のようにいう。
「選挙で代表を選ぶ間接民主主義を否定するわけではない。だが、代表に任せたらうまくいくとは限らない」
あほだ。「代表に任せたらうまくいくとは限らない」かもしれないが、県民投票に任せてもうまくいくとは限らない。
朝日新聞はしっかりと間接民主主義を否定している。
社説を引用する。
浜岡原発再稼働の是非を問う県民投票を実現する条例案が、静岡県議会に提案された。市民団体が必要数の3倍近い16万余の署名を集め、川勝平太知事に条例制定を求めた。知事は県議会で「意思を表明し、県政に直接反映させたいという思いの表れであり、重く受け止める」と賛意を表明した。
知事の判断を支持する。県議会は、再稼働をめぐる初の県民投票を実現させるべきだ。
原子力のゆくえを地域の人々の意思で左右することには、反対意見も根強い。実際、東京都と大阪市で再稼働をめぐる投票の請求があったが、いずれも議会で否決された。
原発が止まれば電気代が上がる。経済や雇用、安全保障など幅広い分野に影響が及ぶ。地域の人々がそこまで見越して判断ができるのか? 一時のムードに流されないか?
住民投票にそうした限界がつきまとうという指摘は、必ずしも的外れとはいえまい。
それでも意義は大きい。静岡県議会で、署名を集めた市民団体の5人の代表は、次のように説いた。
「専門家や政治家に任せろといっても、彼らが危険性を軽視して事故になった。原発は先々の世代の生命や生活をも左右する。いま権力を握る人には背負いきれない重い問題だ」
「事故が起きたら、結果は住民が受け入れざるをえない。真剣に考え、責任も引き受けることが、事故を経験した私たちの使命だ」
選挙で代表を選ぶ間接民主主義を否定するわけではない。だが、代表に任せたらうまくいくとは限らない。生活に深くかかわるテーマで直接、民意を問うことは、その限界を補うことになる。投票する市民が当事者として悩み、判断することじたいに意味がある。
条例案は投票結果の尊重を求めているが、法的な拘束力はない。川勝知事は「安全性が最優先だ。仮に9割の方が『原発を動かす』と言ったら、私は『いまは動かせない』という判断なので9割の方にご説明する。説明義務が大きくなる」という。
現実は複雑だ。是か非かの二者択一で示される投票結果のとおりにならないことも起こりうる。それでも民意と向き合い、その末に下した結論について、次の選挙で審判を受ける。
そんな政治と有権者の緊張関係が生まれてこそ民主主義は機能する。
もし民意に縛られるのを嫌って聴かないなら、それは間接民主主義の奢(おご)りではないか。
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