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August 10, 2012

【西論】朝日新聞、岩波書店…潰された大阪五輪 編集委員・河村直哉

 「【西論】朝日新聞、岩波書店…潰された大阪五輪 編集委員・河村直哉」(産経新聞:7月31日)

 「地球市民」のオリンピックなどあり得ない。前回の北京オリンピック(特に聖火リレー)での中国の横柄振りを見れば判るし、そもそもナチス・ドイツのベルリン・オリンピックの時代から、オリンピックは国威発揚の場であったではないか。

 記事を引用する。

“中国56民族”の嘘さえ…国家あってこそ

 ロンドン五輪が開幕した。選手のひたむきな表情を見ていると、各国の国旗、国歌がことのほか高貴に感じられる。オリンピックが国を背負った大会であることを改めて実感する。

 オリンピックはよくナショナリズムとの関連で語られる。4年前の北京は、中国の国威発揚が露骨にもくろまれた大会だった。「中国56民族」として紹介された子供たちの大半が漢民族だったのをはじめ、開会式は偽装だらけ。国際オリンピック委員会(IOC)のロゲ会長は、中国が世界について学べた、と北京大会を総括した。けれども、かの国が何も学んでいなかったことは五輪後の、沖縄・尖閣諸島などへの傍若無人な海洋膨張姿勢が示す通り。

 ところで、歴史にはナショナリズムが過剰に現れる場面があるだけではない。過剰に警戒する局面もある。その関連で思い出すのが、4年前の五輪に立候補していた大阪のことだ。

 北京、トロント、イスタンブール、パリとともに開催地を争った大阪は、平成13(2001)年のIOC総会、1回目の投票で落選した。わずか6票、最下位の惨敗だった。財政上の懸念、交通渋滞の恐れなど、大阪へは厳しい評価が下されていた。

 以来、大阪五輪招致の話を再び聞くことはない。

「反ナショナリズム」「地球市民」印象操作

 いま大阪五輪の開催概要計画書を見ると、なんとも物足りない思いが募る。平たくいえば、日本という国でオリンピックを開くことの意義が何も積極的にアピールされていないのだ。

 計画書にある大阪五輪の基本理念の柱は「地球市民のオリンピック」。民族や国家がアイデンティティーを求めて揺れる世界で、多様な人々がオリンピックに集い地球市民となる、と補足されている。日本という国家はどこにも出てこない。

 民族紛争が激化する冷戦後の国際情勢や、当時の日本の言論と無関係ではあるまい。国内に限っておおざっぱに振り返ってみる。大阪五輪の招致運動が盛んになっていた1990年代の後半以降、ナショナリズムをめぐる議論が激化していた。教科書問題で戦後の自虐的な歴史観を見直そうとする保守運動に、左派は激しい攻撃を浴びせた。たとえばそのころの岩波書店の左系雑誌「世界」を何冊か開くと、右傾化、ネオナショナリズム、歴史修正主義、などの用語がいくつも出てくる。

 オリンピックもこの流れと無縁ではいられなかった。シドニー五輪開催中の平成12(2000)年9月24日、朝日新聞は「ナショナリズム」と題した社説を載せている。金メダルを取った日本選手に送られる声援の話から、「居丈高な自己主張」となったナショナリズムの危うさへと議論は転じ、警戒心をあおる。言及されるのは自虐史観批判であり、あるいは国旗・国歌法の制定(平成11年)、日本に近づく中国船への強い反発などだ。

 大阪五輪の理念の策定、その後の招致活動が偏った考えの下に行われていたなどと、短絡的にいうのではない。けれどもこうした国論の対立に無関心ではいられなかったはずである。行政中心の招致にありがちな無意識の政治回避からか、日本という国家を強く前面に出せないままで終わってしまった。地球市民の五輪が理念なら地球のどこでやってもよい。

 付け加えておけば、「地球市民」とは国家に批判的な左派がたまに使う用語だ。官房長官時代に自衛隊を「暴力装置」といった民主党某氏の政治理念にも、この言葉があった。

昭和の東京五輪招致

 戦後のゆがんだ歴史観を見直すことも、国旗・国歌の尊重も、自国の主権を脅かしかねない国に強い態度を持つのも、あたりまえのことだ。10年あまり前は、それがあたりまえにはいかなかった。

 2020年五輪に再び立候補している東京は、東日本大震災という国難からの日本の復活を招致理由の前面に出した。共感できる。国家への視点を避けた大阪の五輪招致は、平成7(1995)年の阪神・淡路大震災という国難を見据えることもなかった。

 昭和39(1964)年東京五輪の開催に奔走した、日系2世の男性について触れておきたい。フレッド・ワダ(日本名・和田勇、1907~2001)という。高杉良さんの伝記小説「祖国へ、熱き心を」による。

 アメリカで野菜などの小売事業を成功させ、日米の架け橋となった。昭和24年、水泳の全米選手権で世界記録を連発し敗戦後の日本人を勇気づけた「フジヤマのトビウオ」古橋広之進らを大会中ロサンゼルスの私邸に泊め、支えたのもワダだった。東京五輪招致では私費で中南米諸国を回り、IOC委員の票をまとめた。誘致に臨む覚悟をワダは妻に語っている。

 「東京でオリンピックやれば、日本は大きくジャンプできるのや。日本人に勇気と自信を持たせることができるやろう」

 語調でわかる通り、関西の人。両親の出身地である和歌山で幼少の一時期を過ごした。大阪ではかなわなかったが、この精神を2020年の東京で生かしてもらいたい。

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