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April 14, 2012

北朝鮮のミサイル発射についての各紙社説

 4月14日の各紙に、北朝鮮のミサイル発射についての社説が載った。見出しは次の通り。

 産経新聞: 北ミサイル発射 さらなる暴挙に備えよ 安保理で実効性ある懲罰を
 読売新聞: 「衛星」発射失敗 強固な北朝鮮包囲網の構築を
 毎日新聞: 北朝鮮ミサイル失敗 安保理で厳正な対応を
 朝日新聞: 北朝鮮ミサイル―発射強行に抗議する

 見出しだけを見てもわかるように、北朝鮮の暴挙に対して対抗策を取るべきという中で、朝日新聞だけが単に「抗議」するのみである(2009年の時はもっとひどかったが)。

 各紙の社説から引用する。


・ミサイル発射について

 「許してはならない」「看過できない」「免責されない」という厳しい言葉が並ぶ中で、朝日は「強く抗議する」だけである。

 「北朝鮮が「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイル発射を強行した。結果は失敗に終わったが、日本や韓国を含む東アジアの安全と世界の平和を揺るがす重大な挑戦であり、無謀な発射は関係国に深刻な危険と脅威をもたらした。これを断じて許してはならない」(産経)

 「失敗はしたものの、『弾道ミサイル技術を使ったいかなる発射』も北朝鮮に禁じた国連安全保障理事会決議への明らかな違反だ。決議を愚弄する北朝鮮の行為は、決して看過できない」(読売)

 「北朝鮮が衛星と主張できる物体を打ち上げようとしていた可能性を完全に排除することはできない。しかし目的や成否のいかんにかかわらず北朝鮮は免責されない」(毎日)

 「中国やロシアも含めて各国が中止を迫っていた。発射は明らかに国連安全保障理事会の決議に反する。実験の強行に強く抗議する」(朝日)


・北朝鮮への制裁について

 朝日新聞だけが制裁について言及していない。

 「北のさらなる挑発に備え、これを抑止するためにも、速やかな行動が必要だ。日本政府などの要請で開かれる安保理緊急会合では国際社会の総意結集を急ぎ、新たな制裁強化決議も視野に、実効性ある対抗措置を講じるべきだ」(産経)

 「安保理も、新たな議長声明や決議を採択すべきだ。北朝鮮を非難するとともに、経済制裁を強化し、国際包囲網を強固にする必要がある」(読売)

 「当面の焦点は安保理会合の展開である。北朝鮮による09年のミサイル発射の際は常任理事国の中国とロシアが非難決議に反対し、議長声明にとどまった。その時点で既存の安保理決議に、衛星打ち上げを明確に禁じる表現がなかったことがネックになった。今はその難点は克服されている。明白なルール違反を繰り返させないためにも、厳格な対処をためらうべきではない」(毎日)


・中国の対応について

 各紙が中国の責任を問うているのに、朝日新聞だけが、中国に「期待」している。

 「中国外務省は各国に『冷静さと自制』を求める談話を発表したが、今なすべきは『発射は安保理決議違反』と明確に認め、日米韓露などと足並みをそろえ圧力を強めることだ。国民の食糧難に目を閉ざして『先軍政治』を貫く政策を改めさせることではないか」(産経)

 「中国は、北朝鮮の崩壊を恐れ、支援を強めてきた。今回も圧力を強めると北朝鮮が反発し、武力挑発の懸念があるとして、関係国に『冷静な対応』を求めている。そんな長年の融和的な態度が、核実験を強行しても国際社会には止める能力も意思もない、と北朝鮮がみくびり、暴挙を重ねる結果を招いてきたのではないか」(読売)

 「中国はこれまでのところ北朝鮮に配慮する姿勢を示している。だが北朝鮮を支えている中国は、安保理決議違反は許されないという国際常識を北朝鮮に納得させねばならない。その責任を忘れてもらっては困る」(毎日)

 「ことに、後ろ盾として新体制をいち早く支持した中国の責任は重い。核兵器とミサイル開発にひた走る北朝鮮の増長を止める説得役を期待する」(朝日)


・日本の対応について

 各紙が日本の防衛体制の強化を求めているのに、朝日新聞は言及していない。

 「午前7時38分のミサイル発射を政府が最初に確認したのは、約40分後に『何らかの飛翔(ひしょう)体が発射された情報がある』とした田中直紀防衛相の会見だ。だが既に8時前後に韓国国防省が発射を発表、米メディアも米高官の話として『発射失敗』を報じた。官邸危機管理センターが8時過ぎ、自治体向けの『Em-Net』で「発射を確認していない」と伝えたことも混乱に拍車をかけた」(産経)

 「首相官邸は、韓国の発表後も発射を確認できず、日本の正式発表は発射の40分以上も後だった。情報伝達の遅れの検証と、それに基づく伝達方法の改善が求められる。第一報の発表も『発射を確認していない』ではなく、『発射情報があり、確認中』とするなど工夫の余地があったはずだ。全国瞬時警報システム(Jアラート)などの自治体への速報体制にも不備が判明した。防災無線の整備率を高めるなど、日本全体の危機管理体制の強化が急務だ」(読売)

 「政府は、米軍の早期警戒衛星の早期警戒情報(SEW)で発射情報を入手しながら、確認に手間取り、発表は発射から約45分後となった。沖縄県民らに発射を伝え、警戒を呼び掛ける全国瞬時警報システム(Jアラート)は活用されなかった。国民が発射を知ったのは、テレビの報道を通じてである。これでは何のための警報システムなのか、疑わざるを得ない。生命にかかわる情報だからこそ、SEWだけであっても発射の可能性を伝え、警戒を呼び掛けるべきだったのではないか。そもそも、SEWしかない場合のJアラートの活用方法について、十分な検討があったのかどうか疑わしい」(毎日)

・結論

 北朝鮮がミサイル失敗を認めたことが、「変化の兆し」かもしれないという朝日新聞。日本国民がこれだけ危険にさらされたのに、まだ北朝鮮に期待するのか。

 「自民党など野党は政府対応を国会で追及する構えだ。政争の具とせずに、核やミサイルの脅威に対抗できる抑止力のあり方などを含め、日本の平和と安寧を守る手立てを徹底的に論議すべきだ」(産経)

 「沖縄県の自治体と協議・調整した経験も踏まえて、今後の日米の共同訓練や対処計画の向上につなげることが重要だ」(読売)

 「政府は、今回の事態を徹底検証し、今後の対応に生かすべきだ」(毎日)

 「北朝鮮は今回、『衛星の軌道進入は成功しなかった』と発表した。失敗をすぐに認めるのは異例のことだ。金正恩体制が祖父と父の「遺訓」にすがる姿を見れば、政策転換は期待しにくい。だが、失敗を認めることは何らかの変化の兆しなのか、注視していく」(朝日)


 社説を引用する。

・産経新聞

 北朝鮮が「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイル発射を強行した。結果は失敗に終わったが、日本や韓国を含む東アジアの安全と世界の平和を揺るがす重大な挑戦であり、無謀な発射は関係国に深刻な危険と脅威をもたらした。これを断じて許してはならない。

 日米など主要国(G8)や韓国をはじめ、世界が「国連安保理決議の明白な違反」と制止したのを無視した暴挙に対し、断固たる懲罰を加えるべきであることは言うまでもない。同時に、北の国防委員会第1委員長に就任しながら発射失敗で面目を失った金正恩氏はその挽回を狙って3度目の核実験などへ突進する恐れもある。

 ≪中国は制裁に足並みを≫

 北のさらなる挑発に備え、これを抑止するためにも、速やかな行動が必要だ。日本政府などの要請で開かれる安保理緊急会合では国際社会の総意結集を急ぎ、新たな制裁強化決議も視野に、実効性ある対抗措置を講じるべきだ。

 また日米同盟を通じた日本の防衛と安全のあり方を検証する機会ともしたい。日本政府がミサイル防衛(MD)システムで迎撃態勢を敷いたのは当然である。その一方で、発射情報の公表遅れなどでは問題を残した。

 北は1998年、2006年、09年と弾道ミサイルを発射、06年、09年に核実験も強行した。安保理は一連の制裁決議で核・ミサイル関連兵器と奢侈(しゃし)品の禁輸、金融資産凍結などの措置を発動したが、加盟国に「制裁順守を要請する」とし、制裁破りへの明確な罰則はないのが現状だ。この欠落を埋める工夫と加盟国の真剣な取り組みが不可欠といえる。

 とりわけ中国には責任ある行動が求められる。北の最大の友好国である中国は、日米韓が期待した発射中止を説得する役割を十分に果たさなかった。胡錦濤国家主席はミサイル発射の2日前、朝鮮労働党第1書記に就任した金正恩氏に「(中朝)友好関係の発展は中国共産党と政府の不動の方針だ」と祝電さえ送った。発射強行への後押しと言わざるを得ない。

 中国は安保理常任理事国で、6カ国協議の議長国でもある。にもかかわらず、北への食糧やエネルギーなどの支援を続けてきた。それが北の核・ミサイル開発を進展させたのは明らかだ。

 今回のミサイル発射の総費用は約700億円(韓国筋)で、コメ140万トンに相当するという。

 中国外務省は各国に「冷静さと自制」を求める談話を発表したが、今なすべきは「発射は安保理決議違反」と明確に認め、日米韓露などと足並みをそろえ圧力を強めることだ。国民の食糧難に目を閉ざして「先軍政治」を貫く政策を改めさせることではないか。

 安保理での議論と並行して日本政府は独自の制裁強化策の検討に入ったが、オバマ米政権にも対北金融制裁復活や「テロ支援国家」の再指定を求めたい。北に対してはそうした措置が有効だ。

 ≪公表遅れの責任大きい≫

 一方、野田佳彦政権は沖縄本島や宮古島などに迎撃用地対空誘導弾パトリオット(PAC3)を配備、救援などに陸自隊員約400人を派遣するなど国民の生命・財産を守る万全の態勢で臨んだ。

 これに対し、民主党の小沢一郎元代表は「何日もかけてロケットをあちこちに運ぶのはナンセンスだ」と語り、社民党は「政府の対応は過剰」などと批判した。傍観しろという意味なのだろうか。

 午前7時38分のミサイル発射を政府が最初に確認したのは、約40分後に「何らかの飛翔(ひしょう)体が発射された情報がある」とした田中直紀防衛相の会見だ。だが既に8時前後に韓国国防省が発射を発表、米メディアも米高官の話として「発射失敗」を報じた。官邸危機管理センターが8時過ぎ、自治体向けの「Em-Net」で「発射を確認していない」と伝えたことも混乱に拍車をかけた。

 発射の一次情報は米早期警戒衛星に依存しており、09年の前回発射の際は前日に誤報を出した。今回は慎重を期したにせよ、首相官邸なども米情報を早い段階で生かせなかった。ミサイルが日本に飛来していたら、対応は困難と言わざるを得ない。

 自民党など野党は政府対応を国会で追及する構えだ。政争の具とせずに、核やミサイルの脅威に対抗できる抑止力のあり方などを含め、日本の平和と安寧を守る手立てを徹底的に論議すべきだ。


・読売新聞

 3代にわたる権力継承完成と金日成主席生誕100年の祝砲のはずが、政権の威信を失墜させる結果に終わった。

 北朝鮮が、国際社会の警告を無視して、「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイル発射を強行した。

 しかし、発射直後に爆発し、破片が黄海に落下した。米国防総省は、2009年4月と同様の「テポドン2」改良型とみている。

 ◆追求すべき安保理決議◆

 失敗はしたものの、「弾道ミサイル技術を使ったいかなる発射」も北朝鮮に禁じた国連安全保障理事会決議への明らかな違反だ。決議を愚弄する北朝鮮の行為は、決して看過できない。

 食糧支援と引き換えに長距離ミサイル発射の一時停止などを約束した2月の米朝合意は反古
ほご
同然となった。国際社会は、ウラン濃縮活動を含む核開発の中止を引き続き追求しなければならない。

 日米など主要8か国(G8)外相会議が、核とミサイルの放棄などを北朝鮮に求める議長声明を採択したのは、時宜を得た対応だろう。

 安保理も、新たな議長声明や決議を採択すべきだ。北朝鮮を非難するとともに、経済制裁を強化し、国際包囲網を強固にする必要がある。

 日本も、核やミサイル、拉致問題の包括的解決を目指し、日朝交渉の再開を探らねばならない。

 懸念されるのは、発足したばかりの金正恩新政権が、発射失敗の挽回を図ろうと、3回目の核実験を急ぐ可能性があることだ。

 3年前、今回同様に「衛星」と称した長距離弾道ミサイル発射が、安保理議長声明で非難されるや、北朝鮮は猛反発し、2回目の核実験に突き進んだ。

 核実験を自制させるには、関係国が結束し、毅然
きぜん
とした対応をとることが肝心である。足並みが乱れれば、北朝鮮の思うつぼだ。

 焦点となるのは、安保理常任理事国の中国の対応である。

 中国は、北朝鮮の崩壊を恐れ、支援を強めてきた。今回も圧力を強めると北朝鮮が反発し、武力挑発の懸念があるとして、関係国に「冷静な対応」を求めている。

 そんな長年の融和的な態度が、核実験を強行しても国際社会には止める能力も意思もない、と北朝鮮がみくびり、暴挙を重ねる結果を招いてきたのではないか。

 ◆核ミサイルの断念迫れ◆

 北朝鮮は今回、外国の専門家や記者団を発射基地や管制センターに案内するなど、「透明性」の演出に努めてきた。初めて発射の失敗も認めた。「衛星」発射がミサイルではなく、「平和利用」だと正当化したいのだろう。

 いくら体裁を装っても、最終的に狙っているのは弾道ミサイル技術の向上だ。飢餓に瀕
ひん
した多くの国民を犠牲にしてまで巨額資金を「衛星」に投じるのは、核兵器を運ぶミサイルの開発を急いでいるためにほかならない。

 核実験やミサイル発射を繰り返せば、北朝鮮はいずれ、核ミサイル配備の段階に行き着こう。日本が最も警戒すべき事態である。

 日本にとって直接の脅威は、既に実戦配備されている射程約1300キロの中距離弾道ミサイル・ノドンだ。日米同盟を強化し、対北朝鮮抑止力を維持することが欠かせない。

 自衛隊と米軍は今回、横田基地の日米統合運用調整所を通じて、ミサイル情報を共有し、部隊運用で役割を分担した。その意義は大きい。

 ◆日米共同対処が重要だ◆

 自衛隊は3月末から、東シナ海にイージス艦、沖縄県などには地対空誘導弾部隊を配備した。二段構えの迎撃態勢は、万一の事態に備えたものだった。

 沖縄県の自治体と協議・調整した経験も踏まえて、今後の日米の共同訓練や対処計画の向上につなげることが重要だ。

 残念なのは、政府のミサイル情報の発表がもたついたことだ。

 首相官邸は、韓国の発表後も発射を確認できず、日本の正式発表は発射の40分以上も後だった。

 日本は、米軍の早期警戒情報に依拠しているうえ、09年の「発射」誤報を踏まえ、確認作業に慎重を期したことは理解できるが、あまりに遅いと言わざるを得ない。

 情報伝達の遅れの検証と、それに基づく伝達方法の改善が求められる。第一報の発表も「発射を確認していない」ではなく、「発射情報があり、確認中」とするなど工夫の余地があったはずだ。

 全国瞬時警報システム(Jアラート)などの自治体への速報体制にも不備が判明した。防災無線の整備率を高めるなど、日本全体の危機管理体制の強化が急務だ。


・毎日新聞

 北朝鮮が人工衛星の打ち上げだと主張し、国威発揚の成功を確信していたらしいミサイル発射は、朝鮮半島西方の黄海上空で機体爆発、空中分解という無残な失敗に終わった。

 北朝鮮のメディアは発射から4時間余り後に「地球観測衛星の軌道進入は成功しなかった」と報じた。

 北朝鮮は過去2回、「衛星打ち上げ成功」と虚偽の発表をした経緯がある。しかし今回は国際記者団を招き、発射準備を見せたり説明の会見を行ったりしたため、失敗を認めざるを得なかったのだろう。

免責の余地はない

 北朝鮮が衛星と主張できる物体を打ち上げようとしていた可能性を完全に排除することはできない。しかし目的や成否のいかんにかかわらず北朝鮮は免責されない。

 09年の国連安全保障理事会の決議1874は北朝鮮に「いかなる核実験または弾道ミサイル技術を使用した発射」も行わないことを求めている。そして北朝鮮が衛星用と主張した「ロケット」は、日本のほぼ全土を射程に収め、実戦配備もされている中距離弾道ミサイル・ノドンを4基組み合わせて1段目の推進体としたものだ。専門家の判断である。この点だけ見ても文字通り「弾道ミサイル技術を使用した発射」だった。明白な決議違反である。

 北朝鮮は一方、既に2回の核実験を強行した。旧式原子炉の使用済み燃料棒から抽出した限りあるプルトニウムを用いた実験だったとみられるが、今やウラン濃縮を推進し、核兵器量産を目指している。

 衛星打ち上げを隠れみのにしたミサイル技術の向上と核開発拡大は、核ミサイルの配備につながる最も危険な組み合わせだ。放置すれば日本には中距離ミサイル、米国には大陸間弾道ミサイル(ICBM)による核攻撃が可能になる。この流れを何としても阻止せねばならない。

 北朝鮮が3度目の核実験の準備を始めた兆候も捕捉されている。いつもの揺さぶりかもしれないが、「発射失敗」が核実験強行の呼び水になる可能性も排除できない。

 こうした状況にどう向き合うかが今後の焦点であり、国際社会は結束して対処せねばならない。

 当面の焦点は安保理会合の展開である。北朝鮮による09年のミサイル発射の際は常任理事国の中国とロシアが非難決議に反対し、議長声明にとどまった。その時点で既存の安保理決議に、衛星打ち上げを明確に禁じる表現がなかったことがネックになった。今はその難点は克服されている。明白なルール違反を繰り返させないためにも、厳格な対処をためらうべきではない。

 中国はこれまでのところ北朝鮮に配慮する姿勢を示している。だが北朝鮮を支えている中国は、安保理決議違反は許されないという国際常識を北朝鮮に納得させねばならない。その責任を忘れてもらっては困る。

 また米国は2月の米朝協議で、北朝鮮のウラン濃縮活動、核実験、弾道ミサイル発射実験の一時停止に合意した経緯があり、これを無効にはしたくないのが本音かもしれない。しかし米国の歴代政権が北朝鮮の交渉術にだまされてきた現実は重い。いったん合意した食糧支援などは見直すのが当然だ。

課題残した政府対応

 ミサイル発射を受けた日本政府の対応には問題があった。

 政府は、米軍の早期警戒衛星の早期警戒情報(SEW)で発射情報を入手しながら、確認に手間取り、発表は発射から約45分後となった。沖縄県民らに発射を伝え、警戒を呼び掛ける全国瞬時警報システム(Jアラート)は活用されなかった。

 国民が発射を知ったのは、テレビの報道を通じてである。これでは何のための警報システムなのか、疑わざるを得ない。

 発射の確認が後手に回ったことに関連して、藤村修官房長官は、発射確認のダブルチェックの必要性を強調した。SEWに加えて、日本の警戒管制レーダーによる確認を想定していたのだろう。

 早期警戒衛星が発射と同時に探知できるのに対して、日本のレーダーによる探知は、ミサイルが水平線のかなたから発射されるため時間差が生じる。日本が探知できなかったとすれば問題だ。その原因を究明しなければならない。

 09年のミサイル発射時には、千葉県の警戒管制レーダーが「何らかの航跡」を探知し、さらにSEWでも発射が確認されたと担当者が勘違いして、誤情報につながった。この苦い経験からダブルチェックを重視したのだろう。

 国民生活に大きく影響する情報の発信に慎重を期すのは当然だ。しかし、日本も韓国も、発射情報は基本的にはSEWに依拠している。SEWの評価、判断に不十分な点はなかったのだろうか。

 生命にかかわる情報だからこそ、SEWだけであっても発射の可能性を伝え、警戒を呼び掛けるべきだったのではないか。そもそも、SEWしかない場合のJアラートの活用方法について、十分な検討があったのかどうか疑わしい。

 政府は、今回の事態を徹底検証し、今後の対応に生かすべきだ。


・朝日新聞

 北朝鮮が、事実上の長距離ミサイル実験だった「人工衛星」の打ち上げに失敗した。

 多数の残骸が、韓国西方の黄海に落ちたという。幸い日本を含めて被害はないようだが、危険きわまりない暴挙である。

 中国やロシアも含めて各国が中止を迫っていた。発射は明らかに国連安全保障理事会の決議に反する。実験の強行に強く抗議する。

 発射基地の建設と「ロケット」本体の製造などに、8億ドル以上をかけたという推計も韓国政府内にはある。140万トンのコメを買える額だという。

 飢えた国民よりも、3代目の金正恩氏の新体制づくりを優先させた愚行というしかない。

 労働党第1書記に就いた正恩氏は、きのう国家機構の事実上のトップにもなった。金日成主席生誕100年を15日に控え、多くの外国報道陣も呼び、3代世襲への祝砲気取りの発射でもあったのだろう。

 若くて未熟な新指導者の危機管理能力がさっそく試されるともいえる。

 これから私たちは、どう対応すべきなのか。

 ワシントンでのG8外相会合が、北朝鮮を非難する緊急声明を出した。当然のことだ。

 国連安保理も、緊急の会合を招集した。日本はいま理事国ではないが、米国が議長国だ。日米韓が結束し、中国とロシアを巻き込んで、北朝鮮に強いメッセージを発する必要がある。

 ことに、後ろ盾として新体制をいち早く支持した中国の責任は重い。核兵器とミサイル開発にひた走る北朝鮮の増長を止める説得役を期待する。

 今回の発射を機に、米国は北朝鮮への栄養補助食品24万トンの支援を当面見送る意向だ。北朝鮮がそれをなじり、新たな挑発に出かねない。ミサイル失敗の穴埋めと、新体制の結束を固めるために核実験に突き進むとの見方もある。

 世界を敵に回す瀬戸際外交とつきあい、交渉の局面にまで持ち込むには時間がかかるだろう。だが、こんな傍若無人な北朝鮮を相手に、粘り強く努力するしかないのも事実である。

 北朝鮮が勝手に進めるウラン濃縮をやめさせるなど、急を要する課題もあるのだ。

 北朝鮮は今回、「衛星の軌道進入は成功しなかった」と発表した。失敗をすぐに認めるのは異例のことだ。

 金正恩体制が祖父と父の「遺訓」にすがる姿を見れば、政策転換は期待しにくい。だが、失敗を認めることは何らかの変化の兆しなのか、注視していく。

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