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March 31, 2012

「高台移転と地価 復興妨げる動きは監視を」にあえて反対する

 「高台移転と地価 復興妨げる動きは監視を」(産経新聞:3月25日社説)

 産経新聞がまるで朝日新聞になったかのような社説を載せている。昨年の震災の被災地の地価が変動しているのが問題らしい。次のようにだ。

 「全国的な地価デフレが続く中、上昇率全国トップとなったのは、宮城県石巻市須江付近の高台だ。前年比で実に60・7%も値上がりした。ほかにも上昇率の全国上位10地点のうち、9地点を宮城県の高台地区が占めた」
 「一方で、同じ宮城県内の住宅地でも、津波被害が大きかった沿岸部では下落が続いている。気仙沼市南郷付近では下落率18・3%とワースト1を記録した。原発事故の影響が深刻な福島県では、内陸部でも下落が加速している」

 利用価値の増した土地の地価が上昇し、そうでない場合は下落する。これは普通の事。津波の被害を受けたり原発事故で汚染された土地の地価が下落しても仕方があるまい。

 では津波による被災地周辺の高台の地価上昇はどうか。社説では「沿岸部住民の高台移転は国の復興方針の柱だ」という。何のことはない。国が一方的に高台への土地の需要を膨らませているのだ。地価が上昇しても当然といえる。

 産経は、「政府や関係自治体は、被災地の土地取引について、復興を妨げる投機的な動きにつながらぬよう、監視を続けるべきだ。必要に応じて、国土利用計画法に基づく土地取引規制を適用するなど、連携して早期に手を打つことも選択肢として忘れてはならない」という。しかし、住民が沿岸地に住み続けるという選択肢を除外するのが間違っている。沿岸地であれば安くなった土地に住む事ができるではないか。

 政府が土地取引を規制しても有害にしかならない。バブル経済の発生も突然の崩壊も、政府の介入が原因であった事を思い出すべきである。

 社説を引用する。

 国土交通省が発表した今年1月1日時点の公示地価は、全国平均で4年連続で下落したものの、ようやく下げ止まる兆しも見えてきた。

 だが気になるのは、東日本大震災からの復興本番を迎えて、一部地域とはいえ被災地の高台住宅地で地価が急上昇し始めていることだ。

 国交省は「被災地全体では、地価の下落幅はなお大きい」(地価調査課)と静観の構えだが、過度な地価上昇が広がるようなら、今後の新たな町づくりへの影響は避けられない。国の政策で進めようとしている被災住宅の高台移転計画そのものに、重大な支障が生じる恐れもある。

 政府や関係自治体は、被災地の土地取引について、復興を妨げる投機的な動きにつながらぬよう、監視を続けるべきだ。必要に応じて、国土利用計画法に基づく土地取引規制を適用するなど、連携して早期に手を打つことも選択肢として忘れてはならない。

 全国的な地価デフレが続く中、上昇率全国トップとなったのは、宮城県石巻市須江付近の高台だ。前年比で実に60・7%も値上がりした。ほかにも上昇率の全国上位10地点のうち、9地点を宮城県の高台地区が占めた。

 一方で、同じ宮城県内の住宅地でも、津波被害が大きかった沿岸部では下落が続いている。気仙沼市南郷付近では下落率18・3%とワースト1を記録した。原発事故の影響が深刻な福島県では、内陸部でも下落が加速している。

 被災地の不動産業関係者によれば、岩手、福島の両県はもともと過疎と少子高齢化で沿岸部の人口が少ないうえ、将来も同じ地域に住み続けるかどうか、判断しかねている住民が多いという。そのことも被災地の地価が二極化する背景になっている。

 とはいえ、沿岸部住民の高台移転は国の復興方針の柱だ。町づくりが本格化すれば特定の高台に需要が集中し、投機的な動きを呼び込む恐れがないとはいえない。

 復興をめぐる国と自治体の連携の悪さに業を煮やし、独自の生活再建に踏み出す住民も少なくない。比較的余力がある被災者の中には、自力で高台に土地を求め、住宅を建て直すケースも見られる。そのことも一部地区の地価高騰を招いているようだ。

 国も自治体も「気付いたときは手遅れだった」では済まない。

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