女性宮家問題についての各紙社説
11月26日の各紙に女性宮家問題についての社説が載った。見出しは次の通り。
産経新聞: 女性宮家問題 男系の歴史踏まえ熟議を
読売新聞: 「女性宮家」 皇位継承の議論を再開したい
毎日新聞: 「女性宮家」 皇室の将来へ論議を
「宮内庁の羽毛田信吾長官が、女性皇族による宮家の創設を「火急の案件」として野田首相に検討するよう要請していたことが分かった」(読売)という。
毎日新聞は、「戦後、象徴天皇制は『開かれた皇室』『国民とともにある皇室』という理念で理解され、親しまれてきた。長い歴史に培われた伝統を守ることと、時代とともに新しいかたちも取り入れていくことは、決して矛盾しない」と書き、「6年前の有識者会議の報告も踏まえ、論議を成熟させよう」という。
しかし、6年前の有識者会議では女系天皇を認めた、皇室を貶める内容であった。毎日新聞は女系天皇を認めることも踏まえて議論せよというのだ。これはおかしい。
「小泉純一郎内閣の平成16年末、『皇室典範に関する有識者会議』が設置され、わずか1年で『女性・女系天皇容認』『男女を問わず長子優先』の報告書が出された。これに先立ち内閣官房が女系天皇を認める極秘文書を作成しており、『初めに結論ありき』の拙速な議論だったことは否めない」(産経)のである。
読売新聞は、「皇室制度を安定的に存続させていくためには、いかなる制度改正が望まれるのか。小泉内閣以来、しばらく途切れていた議論を再開させる必要がある」というだけで、女系天皇の可否については触れていない。
産経新聞は、「皇統は男系継承が維持されてきた。8人の女性天皇がいたが、いずれも皇后か未婚の皇女で、男系の血を引かない女系天皇の例はない。女性宮家創設を安易に女系天皇容認につなげてはならない」とした上で、「男系で維持されてきた日本の皇統の歴史を踏まえたうえで、将来の皇位継承問題を時間をかけて議論すべきだ」 という。これが最も妥当な結論である。男系天皇を2600年もの間続けてきた、そのこと自体に意義があり、われわれ日本人が守るべきことである。
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