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September 04, 2011

世界一シンプルな経済学

 ヘンリー・ハズリット「世界一シンプルな経済学」(日経BPクラシックス)

 ヘンリー・ハズリット(1894-1993)は、リバタリアンのエコノミストである。ミーゼスなどのオーストリア学派の米国での紹介者だ。本書は、ミルトン・フリードマンやハイエクの絶賛を受けたという。

 世界一シンプルというのは嘘ではない。最初に「基本の一課」として、次のように経済学を定義している。

 「経済学とは、政策の短期的影響だけではなく長期的影響を考え、また、一つの集団だけでなくすべての集団への影響を考える学問である」

 これを元に以下のような問題をブレなく考察する。

 割れた窓ガラス、戦争は経済にとって有益か、公共事業は税金である、税金は生産意欲を喪失させる、公的融資は生産を阻害する、機械化は失業を増やすか、非効率は雇用を増やすか、動員解除と官僚の削減は失業を増やすか、完全雇用神話、関税で「保護」されるのは誰か、なぜ輸出は好まれるのか、農産物の価格支持政策、X産業を救え、価格メカニズムの働き、政府による価格「安定」政策、政府による価格抑制策、家賃統制の結末、最低賃金法の結末、労働組合に賃金水準は上げられるか、「生産物を買い戻せる」賃金水準とは、利益の役割、インフレ幻想、貯蓄に対する攻撃。

 そして最後に「30年目の再講義」が載っている。

 本書の初版は1946年に出ている。ところが本書の大部分は現在の資本主義国に当てはまっている。古さを感じさせないのだ。著者の先見性があるのと、各国の問題が当時からほとんど改善されていないからであろう。

 本書は書名の通りシンプルな内容であり、経済学を学んでいない人でも読んで理解できると思う。大学の経済学部の新入生に読ませればいいのではないか。

 わしが学生の頃は、経済学といえば過半がマルクス経済学(!)で、あとのほとんどはケインズ経済学であった。新自由主義の講義やゼミはほとんどなかったのだ。本書ではマルクス経済学は言うに及ばず、ケインズ経済学をも否定している。不況からの脱却のために公共投資を増やすとかいった政策は市場を混乱させるだけなのである。政府は市場に介入しない「小さな政府」が望ましいのだが…。



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