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January 05, 2008

平成20年 年頭社説読み比べ

 元旦にはコンビニで新聞を買うのがここ数年の恒例になった。今年は読売新聞、朝日新聞、産経新聞の3紙を買い社説を読み比べてみた。

 読売新聞の社説は、「多極化世界への変動に備えよ 外交力に必要な国内体制の再構築」だ。社説は「唯一の超大国の揺らぎ」から書き出し、ドルの威信低下、中国の経済成長・軍事力増大で、アメリカの一極支配が揺らいでいるという。

 次いで「重さを増す対中外交」では、「今後、日本にとっては、新たな「極」となりつつある中国との関係が、外交政策上、もっとも難しい重要な課題となるだろう」と書くが、「しかし、日本外交の基軸が日米関係であり続けることには、変わりはない」という。「日米同盟軸は不変」なのだそうだ。そのためには、「そうした米国と、今後も、「最も重要な同盟国」としての関係を維持するためには、日本もこれまで以上のさまざまなチャンネルを通じての外交努力、あるいは相応の負担をする覚悟が要る」。その通りだ。アメリカが日本の味方をするはずがない。アメリカの国益に反するのであればアメリカは日本をいつでも見限るだろう。

 「ところが、現在の日本は、衆・参院の与野党ねじれ状況により、内外にわたる重要政策について迅速な政治決定が困難になっている。新テロ特措法を巡る迷走は、その象徴である」。アメリカ盲従がよいとは思わないが、現状ではそうせざるを得ない。情けないが。

 外交だけでなく、内政も問題だと読売はいう。「危機の財政、社会保障」では、「国民全体が広く薄く負担を分かち合う消費税の税率を引き上げる以外に、現実的な財政収入増の方途はない。実は、そのことを与野党ともよく知っているはずだ。それなのに改革をためらっている」という。反日国家へのODAをやめるとか、公務員を削減するとか、他の方策はある。が、手厚い社会保障を望むのはやめるべきだ。赤字になっても当然だ。また、景気対策や選挙の人気取りのためのバラマキは即刻止めよ。特に民主党の公約にはバラマキが顕著に表れている。民主党が政権を取ったらそれが加速するのは目に見えている。そのため与党も思い切った政策が取れないのだ。

 そこで、読売は「強い政治的意思を示せ」という。参議院で法案が否決されても参議院で再可決すればよいという。そうすればよかろう。民主党をはじめとする野党は、再可決を悪いことであるかのように言っているが、憲法に明記されている手続きを踏んでいるのだから、悪いことでもなんでもない。逆にそのような印象操作をすることが嫌らしいし、憲法を軽視している。読売は次のように書いている。全くその通りである。

 「新テロ特措法案に限らず、外交上、財政上、あるいは国民生活上必要な政策・法案は、憲法に定められる『3分の2』再可決条項を適用して、遅滞なく次々と断行していくべきである」。「野党の問責決議を恐れる理由は、まったくない。「3分の2」再可決は憲法に明記されているルールだが、問責決議などは、憲法にも国会法にもまったく根拠のない性格のものだ」。


 朝日新聞の社説は、「平成20年の意味―歴史に刻む総選挙の年に」で、今年行われるであろう衆議院選挙のみに焦点をあてて書いている。衆議院でも与野党逆転を望んでいるのだろうが、年頭社説としては、余りにも視野が狭いのではないか。

 朝日は、「今年もまた、穏やかならぬ年明けだ」と読者の不安を煽る。事実よりもイメージや印象を焼き付けるのだ。社「説」ではない。年金、財政、少子高齢化、ワーキングプア、などを挙げ、「日本は沈みつつある船ではないのか」という。お前が言うな。日本国という船に穴を開けまくってきているのが朝日新聞ではなかったか。

 「蛇行の末のねじれ」では、「平成元年は激動の入り口だった」「参院選で自民党が大敗、一時とはいえ初めて与野党が逆転した年だった」と書き、「そして、昨年の参院選で民主党が圧勝し、衆参『ねじれ時代』に突入した」と続く。

 「正月休みが終われば越年国会が再開され、『給油新法』の対決にけりがつく。参院で野党が、衆院では与党がそれぞれ数にものを言わせ、最後は衆院で『3分の2』ルールが使われるという。この半世紀、なかったことだ」。当たり前だろう。与野党が逆転したことなどほとんどなかったのだから、朝日のいう『3分の2』ルールが使われる訳がない。それを良くないかのように書くのは間違っている。

 日本国憲法第59条第2項は次の通り。

 「衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる」。

 読売新聞が書いているように、憲法に従って『3分の2』ルールを使っても一向に構わない。憲法を遵守しているのだから。どうせ朝日が守りたいのは第9条だけなのであろう。

 朝日は「沈没を防ぐため」で、「ここは衆参の1勝1敗を踏まえて、改めて総選挙に問うしかあるまい」と書く。違うだろう。なぜ与党が多数を占める衆議院の選挙をしなおす必要があるのか。参院選の勢いを借りて衆議院でも与野党を逆転させたいだけではないか。読売の言うように『3分の2』ルールを使って、必要な法案を通せばよいではないか。

 読売新聞や後述する産経新聞が国際的視野で年頭社説を書いているのに対して、朝日新聞は日本国内の与野党逆転のみにしか着目していない。日本の国益、即ち国民の利益など何も考えていない。近視眼的な社説である。

 朝日新聞の社説を反面教師にし、読売新聞の社説に従ったほうが日本の国益に適うことは、歴史が証明している。「読売VS朝日 社説対決50年」(中公新書ラクレ)を見ればわかる。


 産経新聞の社説は、「”危機の20年”へ備えと覚悟」だ。「世界を見渡せば、政治の新しいアクター、すなわち一国の指導者が続々と誕生しつつある」といい、韓国、米国、そして英、仏、中を挙げる。

 「翻って日本はどうだろう。福田康夫首相も確かに新顔である。だがその新しさとは、世界の潮流に沿ったものであろうか。背を向けたものではないか」。正に同感だ。これで自民政治が終焉をむかえるのではないかと思う。「野党や世論・メディアにも責任の一端はあるが、新テロ特措法案を筆頭に、あまりにも多くの懸案が先送りされてしまった」。これでは時代に逆行しているといわれても仕方がなかろう。

 「聞こえる『幕末』の足音」では、「戦後のある時期まで『幕末』は青春のロマンだった。今では目の前の現実になった。政体末期固有の政治法則を構造的に体現しているのである」。その通りである。内政問題だけでなく国際的な脅威に対しても何ら有効な手が打てず、問題を先送りにしてしまう。まさに徳川幕府崩壊時とそっくりだ。「幕末の『足音が聞こえる』のは、それだけ今日の日本の閉塞感や衰退感を意識する日本人が多いからだと考えたい」。そうだろうか。それならなぜ民主党などに票が集まるのか。何も考えていないのではないか。それとも、与野党逆転→民主、自民の大連立→政界再編→真の保守政党が政権を担う、なんてことになればよいのだが、無理だろう。

 「つつましい方丈に無限の宇宙を見るような日本古来の節度ある生き方を、いまこそよみがえらせ、その知恵と哲学を世界に伝えたい」。そうしないと地球は滅んでしまう。自然を守り自然と共存してきた(過去形になってしまうが)日本の伝統・文化を世界に広めねばならない。

 産経新聞は次いで、「GNPよりGNH」だと書き、ブータンの例を挙げる。GNHとは国民総幸福量だそうだ。ブータン王国は国家戦略として、(1)道路と電力の開発、(2)教育と医療の無料化、(3)功利主義経済学批判、(4)グローバリズムへの警戒、(5)自己啓発と伝統文化維持、(6)自然環境の保全、(7)足るを知る仏教経済学の尊重、を掲げているという。いずれも日本ではある程度は実現できていたのではなかったか。戦後、特に平成の時代になってから忘れ去られてしまっている。

 産経新聞は最後に、「日本も今こそ『覚悟の国家戦略』が必要だ」という。グローバリズムを警戒し、日本の伝統文化の維持に努め、自然環境を守っていくのかと思えばさにあらず。何と「日米同盟は2国間を超え、アジア太平洋に真に必要な国際公共財として深化させるべきだ」というのだ。今までの論理をどうつなげればこんな結論になるのか。

 なぜグローバリズムの張本人であるアメリカとの同盟を深化させよと言うのか。グローバリズムからの脱却とか、日本の伝統文化に根ざした道徳教育の導入とか、アメリカからの精神的・軍事的独立とか、原潜・核兵器保有による自衛力の獲得などが、「覚悟の国家戦略」になるのではないのか。アメリカ依存を強化しようというのだから、まるで属国になれというのに等しい。産経新聞にしてみれば、近年稀に見る情けない年頭社説である。これでは朝日新聞をバカにできない。

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